スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

灼熱の黙示録(スコーチング・アポカリプス)

   主要登場人物  ・雄輝 ゆうき      …… 粉砕分隊〈クラッシャー〉の隊員。                  小銃手。一等陸士。十四歳。  ・薬音寺 やくおんじ   …… 同。衛生兵。十六歳。  ・マリア         …… 同。機関銃手。十五歳。  ・ノイズ         …… 同。通信兵。二等陸曹。二十五歳。  ・紫苑 しおん      …… 同。小銃手。十四歳。  ・真幸 まさゆき     …… 同。狙撃兵。十二歳。  ・樽本 たるもと     …… 同。分隊長。陸曹長。十七歳。  ・美奈 みな       …… 同。擲弾手。十三歳。樽本の妹。  ・村崎 むらさき     …… 小隊長。二等陸尉。十七歳。  ・キャシー        …… 操縦士。十七歳。マリアの姉。  ・佐々木 ささき     …… 医師。老人。    第一章  灼熱の黙示録〈スコーチング・アポカリプス〉  咆哮〈スペル〉と光が、目前で炸裂した。  ギリギリの跳躍。  敵の放った炎が、たび重なる戦闘で砂地と化した大地をえぐる。  直後、爆発。砂塵が舞う。  ガスマスク越し、砂塵の向こう、垣間見える敵の姿に突撃銃を向ける。  M16A2の三点バースト。  四匹の敵が弾を避けながら一か所に集まっていくのを確認し、銃に装着されたM203擲弾発射器で、まとめて粉砕する。 「四匹、殺った。これで合計、十六匹だ」  襟もとの無線に告げると、怒りに湧いた声がとどろいた。 《くそったれ! まだ戦闘開始して五分だぞ!》  声の主が、少し離れたところで短機関銃を掃射しているのを、視界の隅に確認する。  百メートル走、中隊内一位の脚力による俊敏な動き。  耐熱スーツに身を包み、顔には、もちろんガスマスクを着用している。 《こっちは、まだ十三匹だっての!》  彼のさけびをかき消すように、通信にべつの声が入りこんでくる。 《あのぅ、僕、十五匹倒しました》  優秀な狙撃兵の幼い声が遠慮がちに言う。 《ちくしょう、真幸もかよ!》  衛生兵でナンバーワン走者の薬音寺が嘆く。 《だったら、あたしがイチバンね!》  甲高い女性兵士の声が、炸裂する連射音の合間から聞こえてくる。...