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★【プロット】原罪前線 -マルス・フロンティア-

汝の罪を、武器として与えよう。
原罪を贖い、現在に抗え。

罪人たちは閉ざされた異界で、
自らの罪を武器に、世界を守り戦いつづけることを強いられた──。
罪と異能のバトル・アクション。

流刑街エルダ。
異界ゲヘナからの侵攻を食い止める、最前線の防衛ライン。
そこで暮らす罪人たちは、
いつか現世エデンに帰ることを夢見て、今日も白い闇サーペントと戦う。
罪の烙印、マルスを武器として。
それぞれの願い、デザイアのために。

**********

企画設定書
『原罪前線 -マルス・フロンティア-』

星野彼方


「汝の罪を、武器(マルス)として与えよう。原罪を贖(あがな)い、現在に抗(あらが)え」

《午前六時。起床ノ時間デス。本日ハ晴天ナリ。速ヤカニ身支度ヲトトノエ、食堂ヘノ移動ヲ開始シテクダサイ。一時間以内ニ起床シナイ場合、処罰ノ対象トナリマス。午前六時。起床ノ時間デス──》

 備えつけのスピーカーが発するひび割れたアナウンスで。
 真希波(まきなみ)ケージは目を覚ます。
 左腕には、今や見慣れた赤黒いアザと、数字の羅列。

 かんたんに身支度して寮の自室を出たケージは食堂へ向かう。
 『RIB端末(リブ)』──ロボットが、カウンターの向こうで無機質にならんでいる。

「ケージさん。となり、いいですか?」
「ケージだ、おはよう!」

 双子の姉妹、伊原(いばら)ミキ&エダがやってきて、いっしょに朝食をとる。

「ケージは、あと何年?」

 エダの質問に、ケージは腕の数字を見せる。

「まだまだだよ。二年と十ヵ月ちょい」
「ケージさんが来てから、まだ二ヵ月も経っていないのですね」
「ここにいると、時間の感覚がうすれるよねー」
「二人は? どのくらい、のこってるんだ?」


「私たち、これも共有してるんです。なので──」

「ほんとうなら二年半くらいだっけ? ミキお姉ちゃんはマジメだけど、エダが、ちょいちょい延長くらっちゃってて。結局、ケージと同じくらい、のこってるよ」



 サイレンが鳴りひびく。


《白い闇(サーペント)ノ接近ヲ確認シマシタ。各自、指定サレタ区域デ防衛ニアタッテクダサイ》

 指定された区域へ急ぐ。
 外に出ると、遠くに、紫色に輝く光の壁が見える。
 その壁こそ、異界(ゲヘナ)との境界線。
 そこから湧き出してくる獣の群れが、配置についたケージたちのもとへと襲いかかってくる。

《ソレデハ、罪人ノミナサン。今日モ一日、ヨイ贖罪ヲ──》

   ***

 集められた罪人のみが暮らす、隔離された『流刑街(エルダ)』。

 そこは、『異界(ゲヘナ)』と『現世(エデン)』との狭間。

 異界(ゲヘナ)が現世(エデン)に接触したことで発生した亜空間であり、異界(ゲヘナ)からの侵攻を食い止める、最前線の防衛ラインとして機能する街。

 ケージたちがもといた世界──現世(エデン)とおなじく、大地と空があり、朝や夜、天候の変化もある。


 刑罰として流刑街(エルダ)へと送られた罪人には、異界(ゲヘナ)の力を利用した、『烙印(マルス)』と呼ばれる武器や能力が与えられる。
 戦闘時、烙印(マルス)は各自の罪に応じた形をとるが、普段は左腕に巻きついた蛇のような痣となっている。



 課せられた死の定めを乗り越え、刑期(懲役期間)を生き延びた者は、現世(エデン)へ帰還することができる。
 左手の甲には、残りの刑期が常に表示されている。
『禁忌(タブー)』と呼ばれる違反行為を行うと、刑期が延長される。
 ただし、刑期延長の他にはいかなる処罰も用意されておらず、基本的に行動の制限はない。



 流刑街(エルダ)の中心には学園があり、人工知能コンピュータ=『看守(アガナアラガ)』によって管理されたそこで、罪人は烙印(マルス)の使用方法や、戦闘技能などを学ぶ。
 看守(アガナアラガ)は、複数のRIB端末(リブ)や生体チップを通して、罪人たちを監視している。



 異界(ゲヘナ)からの侵攻者『白い闇(サーペント)』に対抗できるのは、烙印(マルス)を使うことのできる罪人たちだけである。
 白い闇(サーペント)の死骸はRIB端末(リブ)によって回収され、マルスを生み出す素材となる。

 異界(ゲヘナ)の住人である白い闇(サーペント)には、小型のものから、建物を壊しながら迫ってくる大型のものまで、さまざまな種類がいる。
 なかには人間にとりついて意識を蝕むタイプもおり、汚染されたものは『堕落体(コラプタス)』と成り果てる。



 学園をはさんで、紫色の光の壁『深淵の口(ゲヘナズゲート)』と緑色の光の壁『蜘蛛の糸(エデンズゲート)』が向かい合っており、それぞれ、異界(ゲヘナ)・現世(エデン)との境界である。

 深淵の口(ゲヘナズゲート)から出てきた白い闇(サーペント)が、学園を越え、蜘蛛の糸(エデンズゲート)に接触して現世(エデン)に侵入しないよう防衛するのが、罪人の役目。

 現世(エデン)に戻ろうと蜘蛛の糸(エデンズゲート)に突入を試みた罪人がいたらしいが、触れた途端、塵と化したという。



 流刑街(エルダ)のすべての機能は、学園に集約されている。
 必要なものの購入や、サービスの使用などは、看守(アガナアラガ)に申請することで可能。
 金銭ではなく、白い闇(サーペント)を討伐することで得ることのできる『価値(バリュ)』を使用する。

   ***

 ケージの烙印(マルス)は、大きな鋏(はさみ)。

 ふたりでひとつの烙印(マルス)を共有する共犯、伊原姉妹は、荊(イバラ)をあやつる。

 刑期延長を受けつつ、すでに5年と3ヵ月を生き抜いているベテラン女性の凪(なぎ)シイナは、林檎のかたちをした爆弾を次々とだす。

 口数は多いが淡々と話す少女、七星(ななほし)ノノアは巨大な金槌をあつかう。
 ケージとは気が合い、よく二人で遠慮のない会話を交わす。
 コンピュータに強い。

 眼鏡の少年、葛原(かずはら)タツミは炎をあやつる。

 現状、主戦力となっている徒党のリーダー、藤(ふじ)サネハルは拳銃。

   ***

 白い闇(サーペント)壊滅後、学園の巨大モニターなどに、今回の戦闘において価値(バリュ)を多く稼いだ(多く白い闇(サーペント)を倒した)罪人のランキングが表示される。
 上位には、サネハル以下そのグループメンバーが並んでいる。

「今日も本気を出していなかったようだな」

 ケージに、シイナが話しかける。

「買いかぶりすぎだよ。これがぼくの実力だから」

 シイナはケージをやたらと気に入っており、なにかと絡んでくる。
 エロ方面の誘いもしょっちゅうであり、ケージは日常的に、かなりの逆セクハラを受けている。

「どんな罪を犯して、ここにきた? なんてマヌケな質問はしないが、オマエ、あまりここが似合わないな。適応力は高いようだが」

   ***

 最近、新しくやってきたタツミは、おびえきっている。

「僕は、罪なんて犯してない……。ここにいるのは、なにかの間違いなんだよ」

 もともと面倒見のいいサネハルが、彼を励まし、戦いかたをレクチャーする。

   ***

「ケージは、どうしてミキお姉ちゃんにこだわるの?」

 と伊原エダ。

「べつに、こだわってなんか──」
「さては惚れたなー?」
「わかった、言うよ。ちょっと、ミキは昔の知り合いに似ているんだ」
「あ、これひょっとして、禁忌?」

 たがいの過去のことを詮索するのは、流刑街(エルダ)ではタブーだ。

   ***

 流刑街(エルダ)には、『〈願いのために(デザイア)〉』と名乗り、他の者たちとは異なる思想で行動しているグループがいるらしい。
 だれが、どれだけの人数が加入しているのか、実態は見えない。
 看守(アガナアラガ)に細工し、白い闇(サーペント)の現世への侵入を手助けしようとしている。



 大型白い闇(サーペント)や群れの襲撃に合わせて、〈願いのために(デザイア)〉は動いた。

 看守(アガナアラガ)は一時的に混乱状態に陥り、RIB端末は罪人を攻撃し始める。
 〈願いのために(デザイア)〉のリーダーであるという覆面の人物が、巨大モニターなどを通じて、罪人たちに語りかける。

 このままでは帰るべき場所すらなくなってしまう──事態収拾に動こうとする罪人たちを相手に、〈願いのために(デザイア)〉のメンバーが邪魔をしてくる。
 タツミもメンバーの一人で、サネハルを殺害する。

 最前線の防衛ラインが白い闇(サーペント)に突破されていく。

   ***

 腕輪や看守(アガナアラガ)への細工は、ノノアが関与していることが判明する。

「そんなこと、できるのか」
「簡単だったよ、実際」

 ノノアは悪びれた様子もなく続けた。

「監視するって言ったって、現世(エデン)側から手引きしないかぎり脱獄は不可能なわけだから、そこまで罪人を見張っておく必要なんてないのよ。いま、どこどこにいます、っていう、その程度。真面目に戦わないと現世(エデン)に帰れない、そういう、あたしたちのモチベーション向上っていう意味合いが大きいシステムだから。サーペントを使って現世を攻撃しよう、なんて考える罪人がいるとは思いもしなかったわけ。自分たちが帰る場所を無に帰そうとする人間がいるなんて、想像もつかなかったんだね」
「どうやって、看守(アガナアラガ)のシステムを攻撃した? 進入禁止区域に入らなければ、そんなことできないだろ?」
「破壊されたRIB端末は、回収されて修復される。破損が軽度なら、損傷部のみの修復しか行われないことを、あたしたちは知った。胸部が壊れて機能停止したRIB端末の頭部をいじくり、偽の指示をインプットしておいた。もちろん巧妙にメインシステムから隠して、ね。腕の見せどころよ。あとは、そのRIB端末が回収されて進入禁止区域内で再起動した後、活躍してくれるってわけ」
「ノノア──どうして手助けした? きみも、世界に滅んでほしかったのか?」
「ううん、ちがうよ」
「じゃあ、どうして」
「やってみたいじゃない。あんなすごいコンピュータ相手に、あたしがどこまでやれるのか。自分を試してみたくなったっていうか」
「…………」
「許せない? あたしと、戦う?」
「いや」
「怒ってる? ねえ、ケージ。いま、こういうこと言うの変かもしれないけど、あたし、きみには嫌われたくない。勝手な言い分だけど、これって本心だよ」
「問題は、きみじゃないんだ。看守(アガナアラガ)を復旧させる方法を教えてくれ」

   ***

 ケージは伊原姉妹と協力し、看守(アガナアラガ)の機能を正常復帰させようとする。
 タツミとの戦闘になるが、打ち勝つ。

 看守(アガナアラガ)が復旧したことで、戦況がくつがえりはじめる。
 学園まで侵入してきている白い闇(サーペント)を討伐していく。

   ***

 〈願いのために(デザイア)〉のリーダーの正体は、シイナだった。
 ケージの脳裏に、かつてのやりとりが思い出される。

「RIB端末(リブ)を破壊したらしいね?」
「あの無感動さにイラッとしてな。つい、やっちまった。破壊っつっても、ちょっと殴っただけだぞ。我らがコンピューターさまは神経質すぎんのさ」
「それで、また刑期延長?」
「あんな世界にもどるくらいなら、いくらだって、ここにいてやるさ」

 あのとき、シイナはノノアに依頼して、RIB端末(リブ)に細工をしていたのだ。



「現世(エデン)が滅びれば、ぼくたちだっていつまでもは生きられない。流刑街(エルダ)は完全な自活環境ってわけじゃないからね」
「かまわない」
「……破滅的だね」

 ケージとシイナは、戦う。

「世界なんて、壊れてしまえばいいと思ってた、ずっと。いまだって」
「嘘だ」

 シイナの爆弾を鋏で弾きながら、ケージは静かに言う。

「それは、嘘だ」
「嘘なんかじゃない! なにも知らない、ガキのくせに──」
「あなたが世界を滅ぼしたいと思いたがっている理由を、それらしく聞いたりはしない。興味ないし、聞いたところで、なにも関係ないから。ぼくは、世界を壊すのはまちがっていると思う──というより、そうなってほしくない。ぼくの身勝手な都合は、あなたの都合を知ったところで、折れることはない」
「殺してやるよ、ケージ。アタシの腕のなかで」
「あなたは世界を愛してる」
「なんだって」
「愛してるのに、自分は愛されてないって思った。わかったようなこと言いたくないけど、ぼくはそう感じる。だから自己主張してるんだ。親に相手にされない子どもとおなじで。自分たちはここにいるって、現世(エデン)にしめしたいんだ」



 ケージはシイナの身体を鋏でつらぬく。
 倒れるシイナ。

「とうとう、償いのときかな。みごとな一撃だった──手は抜かなかった。本気でオマエを殺すつもりだった。それなのに、届かなかった。完全に負けたわけだ。前にも言ったろ。オマエは強い」

 シイナは咳きこんだ。

「すまない。アタシなんかの血で、オマエを、汚してしまった」
「洗っても落ちないかな」
「言うじゃないか」

 その瞳が、ケージの背後に広がる空を見上げている。

「ずっと──うずいてたんだ」
「なにが?」
「このアザ──罪の烙印。かゆくて、しょうがなかった。けどいまは──いまは、そうでもない。おさまってきたみたいだ」

 シイナは、ひどくおだやかで、静かだった。
 いつも血がさわいで沸騰していそうな、エネルギーに満ちあふれた人だったのに。

「だれかの許しなんか、いらない。悔いてなんかいない。ちっとも。これっぽっちも。けど……うずかなくなったっていうのは、いいことだ。たぶん」
「そうだね。きっと」
「信じてほしいんだ。真希波ケージ。知っていてほしいんだ。アタシは、こうじゃなかった。こんなじゃなかった。なにがあったって、動じず、取り乱さず、不敵に笑ってみせる──そういう女、のつもりだったんだ。口にすると恥ずかしいが」
「ぼくの知ってる凪シイナと、すこしも矛盾しないよ」
「どこかで、アタシはアタシじゃなくなった。この街にきたときからか──いや、もっと、ずっとまえから。いつのまにか、つまらない女になってしまった」
「つまらなくなんか、ない。ぼくは、あなたが好きだ」
「告白、かい?」
「ちがうけど」
「ちがうのか……」

 シイナは、さも楽しそうに、笑った。

「こんな感傷的な女じゃなかった。自分が死ぬとわかって、とてつもなくさびしい気持ちになるなんて。ちくしょう、さびしいんだ。たまらないんだ、ケージ」
「ここにいるよ」
「ああ──くそっ」
「こういうこと言われるの迷惑かもしれないけど」

 ケージは言った。

「ごめん」
「アタシを、刺したこと……?」
「あなたの計画を、止めたこと。あなたの、たったひとつの、願いを」
「オマエは、正しいことをしたんじゃ、ないのか」
「ここに正しさなんてない。ぼくには、ぼくの都合と考えがあっただけだ」
「願い、なんてものじゃない」

 シイナは目を閉じた。

「夢だった。この五年と三ヵ月のあいだ。ずっと」
「世界を滅ぼすことが?」
「オマエみたいなヤツと出逢うことが、だよ」

 まったく、とつぶやいたシイナの目尻を、涙が伝った。

「恋なんて言葉は、凪シイナには似合わない。だから、ケージ、これは恋じゃない。でも」

 涙が髪のなかへと流れ落ち、あとに残ったのは、ケージの知った、あの悪魔的な笑みだった。
 いつもの調子で、彼女は言った。

「無理やりにでも、オマエと寝ておくべきだったな」

 それが、そんなことが、彼女の最後の言葉だった。

   ***

《ソノ貢献ニ感謝シマス、真希波ケージ。ヨキ贖罪デシタ》

 ケージ自身の希望で──看守(アガナアラガ)への申請で、彼の刑期は、大幅に延長される。
 いかなる理由があろうと、それは、殺人、だったから。

 白い闇(サーペント)の群れを駆逐し、今回の危機はまぬがれる。




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